Arthur W. Kornhauser, HOW TO STUDY

 表記のしかたを洋書のっぽくしてみたよ!という話。
How to Study: Suggestions for High-School and College Students (Chicago Guides to Academic Life)
 洋書を読んでみたよ、という話ですね。実は或る別の洋書を今年の三月に買っており少しだけ読んだのだが、それは他の仕事や学校がはじまるとともにうやむやに……という話でございます。そういえば七月くらいにもまた別の洋書を途中まで読んでいて、そのうち他のが読みたくなってしまって投げっ放しだわ、という話もありました。というように洋書を読みたいナァという気持ちはけっこう前からあって、それがなかなか実行に移されていなかったわけですけども、今回ついに一冊読了と相成りました。やったね。この本、本文が 50pp. ていどの薄いブックレットなので読めたんでしょうね。内容もわかりやすい、というかもともと(頭では)分かってることだし。
 頭ではね。頭では分かってるんですよね。タイトルの通り、これは勉強の仕方を説いている本で( "HOW TO STUDY" だなんてド直球すぎる! 日本ではこういうのない気がする)、うん、タイトルがド直球なら内容もド直球なのでして、適切な環境で勉強しようねとか、目的をはっきりさせよとか、知識を関連づけようとか、もう本当に当たり前のことばかり書いてあります。なんかハッと驚く勉強法とかは、ない。しかし振り返ってみれば自分はここに書かれている“あたりまえのこと”を十全に実施できていないわけです。あたりまえのことをあたりまえに行う、って難しいよなあとつくづく思う。たぶんそれが(それさえ)出来ていればごく普通に第一志望の大学に行けていたはずよ。そういうことだと思います。
 さて、あたりまえのことをあたりまえに行うのは難しい。そう考えたとき、このような「あたりまえのこと」が書かれている本を読む意味は大いにある。つまり、ぼんやりと考えていた・頭に思い浮かべていたことを、はっきりと文章に読むことで、考えが整理される。あるいは他者の言葉として受け入れることで、その内容の重要さを認識する。やっぱり深層で思うだけでは practice には至らないし、一人で考えてるだけだと――考えの支持者・保証者がいないと、これ独断じゃないのかなあと思って自信がもてない。という話ですね。そういうことなのでしばらく HOW TO 本強化期間にしようかなあと構想しているところです。
 あたりまえのことが書かれているこの本で、しかし特に印象に残ったのは、勉強しているときに直前の内容を思い起こす、根幹をつかみ、諸知識を有機的に結びつけ、明確な理解をめざす――ことの重要さが繰り返し訴えられていたことですね。勉強のなかではこの作業に時間の大半が費やされる、のようなことを著者は言ってます。結局これが大事なんだろうなあと思う。例えば本を読んでいるとき、ついついめんどうに思って飛ばしちゃうプロセスなのですが、これがなければまったく勉強にはならんわけですよね。うーん遠い昔はそんなことしなくても「わかってた」気がするが……無意識にやってたのかな。ともかく今は意識的にやんないとなあ、と肝に銘じます。
 というわけで素晴らしい本なので日本でもっと読まれるべきだ、翻訳出てないなんて、ったく……と思っていたら、出てました。すいません。英語読むのかったるいよという人はこちらを。ただ表紙があんまり格好よくないなあ。

[高等教育シリーズ] 大学で勉強する方法

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