ルネ・デカルト『省察』

 山田弘明訳。
省察 (ちくま学芸文庫)
 書くのをすっかり忘れていましたが読みましたよ(誰に?)。わりと身を入れて読んだので、なんかしら言えると思います。
 デカルト先生の『方法序説』は高校のときから数えて三〜四回読みました(薄いので……)が、懐疑論から出発して神の認識に至る(第四章)という内容にビックリしたのを憶えています。というか哲学者が神を信じていたのが衝撃だよなー! ということで。
 で、この『省察』でも相変わらず神が出てくるんですが、デカルトの本気はあんなもん(方法序説)じゃなかった! いたるところに神が出てくる。神はすべてのものを創造した(だから私は存在します)。神は完全である(だから神も存在します)。神は欺瞞者ではない(だから私の認識は確かなのです!)。などなど。現代に生きる相対主義者・唯物論者(言うほどでもないですけども……)の僕には俄かには受け入れ難い内容であったので、突き放したような書き方になってしまってすいません。でもそのくらいの衝撃だったんだよ。昔の哲学者はこんな感じだったんだねえ……。有名なコギトとか物心二元論とか、あと認識とか物質についても出てくるけど、あくまでメインは神って感じだ。私じゃなくて神。
 それでもこの書物とあるていど格闘してみたおかげで、「合理論」と「形而上学」がいかなるものかは理解できたと思う。うう、でも次はわりと新しめの哲学書を読みたい……