外山滋比古『思考の整理学』

思考の整理学 (ちくま文庫)
 最初書店で見かけたときは、タイトルに惹かれた(このタイトルはうまい、というか、ずるいと思う)ものの目次を見るかぎりでは「学」というほど体系立ったものではなくどちらかというとエッセイだなーと判断したので買わなかった。のち、方法論の本も読んでおかねばと思い、ぐるぐるアマゾンをさまよっていたら*1再び目についたので『知的複眼思考法』『創造の方法学』と一緒に購入。
 内容は、理論的というより実践的な本で、どうすればいいアイデアが浮かぶか、そのアイデアを逃さないようにするには、それを形にするには、といったことについて書かれている。読んでてなるほどと思う本ではあるが、この本の態度は結局のところ「自然に任せろ」ということにあって、タイトルから予想された、アタマのこねくりまわしかた指南といったような、ものの考え方そのもの、「結局、思考ってなんなんだろ」という疑問を解き明かしてくれる本ではなかった。それとも、思考とは僕が思うように能動的に「アタマをこねくりまわす」ことではなかったのだろうか。参考になったか、なってないか、と言えば、多いに「なった」し、本棚のお気に入り・ノンフィクション部門に入れたけど、……タイトルがなー。

*1:もちろん、 amazon.co.jp のことですよ……