円城塔『Self-Reference ENGINE』
購入は2009年2月。読み始めたのは7月20日頃で、読み終えたのが30日頃。
ジャンルはSF……なんでしょうね。でもそれはチェックシートによる分類だ、とも言える。宇宙とか時間とかは出てくるけど、いわゆる冒険なエスエフっぽくはない。勝手に理論を展開して勝手に語りだすところはサイエンスなフィクションなのかも知れないが、というかフィクションなのこれ?*1/自分は知識が乏しいので理解しかねる箇所も少なくなかったが、でも言われてるほど宇宙語でもないように感じた。それよりも、これ……
しっかり読めてないことを断ったうえで言うが、この本には“何も書かれてない”。いや、読む人が読めば、ただひとつの真実が書かれていたりするのかも知れないが、とりあえず素人が目を通した限りではこの本は何も語ってはいない。
でもそれがいいよね。
……っていう話でもない。無意味のバカバカしさ、という意味での価値もなかったと思う。ただ意味がない。「何言ってんの?」と問う気になるほど滅茶苦茶にブッ飛んでいるわけでもない。だからってこの本を貶そうとは思わない。貶す気にはなれん。これは貶すべき本ではない。でも褒める気にもなれない(エラそうですが)。最初の2,3話あたりでは「ナメてるなー」と思いながら読んでたし*2。どうでもよさ・バカバカしさ(いい意味で、ではなく)は後半になっても変わりはしなかったように思うが、次第に気にはならなくなった。慣れだろうか。
結論としては、でも、読まずに通れるか! ってな作品。