あいさつ

 はいはいどうも。高が一日空けといえど、一日一杯一秒たりともパソコンの電源を点けないということになると、翌日のそのそ起きて布団を畳んで着替えて嗽をして顔を拭いて朝食を摂ってピーヒャラピーヒャラののち当然のごとくパソコンをつけてみても、ここに何らかの感慨が浮かんでいることは指摘すまでもなく、要するにぼくはインターネットなるものに強く深く依存していることを改めて述べてみただけなのでありますが。
 ところで。ほんとうにただ文章を読みに来ている皆様の気持ちを推しはかるに、こんなことは高校の古いプリントの裏にでも書いてな! ここを何だと思いやがる? 俺を何だと思いやがる? 世界はそこにあるとでも? 宇宙の外にはただただ草原が果てなく広がっているとでも? 体言止めのその後に、せねばならない消臭スプレー、繰り返す繰り返すオオサンショウウオ帰化、巡り巡って大三角形、と、と、ここまで書いてみて気づくのだが、今、こういうデタラメ並べることをしてみても、これは既に筒井康隆が数十数年前に通過した地点だから僕は数十数周回遅れということになりそれよりも懸念なのは結局は一発ネタというのは一度きりの命なのでありすなわち今ぼくがこのようなことを改めて実行してみてもそれは既に筒井康隆が数十数年前に通過した地点だから僕は数十数周回遅れなのだよと言われそんなことを改めて行ってみてもわれわれには何ももたらさないのだよピースピース!ヨッちゃん見てるー? なる所業でがいす。
 いや、全然ね、アレなんだけども。
 つまり一発ネタを一度しかやってはいけない、という了解が僕は気に食わない。わかっている、わかっている一発ネタを二度以上やっても微量もおもしろくない、少なくとも最初のような快感に襲われることが決してないのはわかる。わかるけどそれは承知しているつもりなんだけどそれでもなお、僕がふんふん文章を書いていてつい滑りでたジョーク(にも愚にもつかぬもの)が実は既到達点だったときの別れの気持ちったらねえ。既到達点であること自体よりも、既到達点に二度と到達してはならぬ、という了解が僕は気に食わないの、で、す。わかっている同じことを二度以上やっておもしろいわけがないわかってるんだけどそれにしても最初の到達者というのは、とんでもないこと言うけれど、ずる過ぎると思う。やっぱ、とんでもないこと言った。最初にある地点に到達するというのは本当に本当に大変なことなのだろうから。全くあの時代に、地球の端っこが滝になって真っ暗闇に落ちていると信じられていたあの時代に正にその滝の方向に向かって船を進めたということがどれだけ大きなことか、という話で、まあ筒井康隆がデタラメを連ねたことはそのコロンブスの行動に比しても仕方ないんだけどそれにしてもそれを出版したということは実に恐ろしいことなのです。『バブリング創世記』、読んだことあります? とにかく、まあ、そういうことを思うとぼくが「ずる過ぎると思う」などとシャックリをしたのはさっさと切って捨てるべき場面だったのでありますが、なお気がかりなことがあって、すなわち先人と独立に、先人と同じ偉大な行いをなし得たかもしれない人、ということなのです。その能力やアイデアはあるが、それが既到達点であることによって能力やアイデアは無価値とされてしまう。ということがなんとも理不尽だと感じるんだよなー。とは言ってもこれはいわば世界の構造みたいなものですから、不平不満を並べて加えて国会に提出したり何かしてもどうにもならないわけですよね。
 ところで
 本棚をいただきました。うん、もちろん本棚を食したのではなく、なんというかと言葉に迷う余地もなく、買ってもらった、というのが正しい。いいかげんアルバイトしたいです。なんか学校からは夏休みまでは学業に専念しろよな、と言われているんですが、ぼくは私立に行きますのでお金が恐ろしくかかる。その上、大学の教科書というのは平気で二千三千するのですよな。それは国が管理していないからというか教師が本人の著作を買わせたり要するにその教科書というのがふつうに本屋に売ってる一般書だからなんですけど、だから高価いからほんと、お金をこちらも増やしていかないとおかしなことになります。ゆえ。さておき。本棚をいただいたという話です。いただいたんだけど、んっと、本棚に関して何を話せばいいのかな? とりあえず、写真でも載せとくか? ……と思って撮影してみたはいいが万が一おうちの人がこの日記を見ていて写真を見て本人特定されてはたまらないので載せるには至りませんでした。このサイト、そんな疚しいことは書いてないが、なんか家族に見られるのはやだなあ。友人とかなら構わんけど。そういう不思議な関係世界。で。実を言えばぼくは今まで本棚らしい本棚を持っていなかった。机の上に仕切りを設けて並べたり、中学生のとき技術科の授業で作った小さい棚( 40 冊くらい入る)に入れたり、平積みにして適当なとこに収めたりしていました。 ぼくが持ってる本ぜんぶ突っ込んでみたんですが、これで半分埋まったか埋まってないくらい。数えるとたしか 171 冊だったか。「ぜんぜん本読んでねえ」という実感のわりに案外持ってるなあと思うけど「読書が趣味」と主張するにはどうにも貧弱すぎるな。ろくに内容覚えてないのもあるし、読みかけのもあるし、まだ手をつけてないのもある。まあ、本、読もうと思うね。学生になるんだし。