ブックオフ

 今日はブックオフ行ってました。なんだろ 5 ヶ月ぶりくらいか。と思ってログ見たら 6 ヶ月ぶりであった。その間ぼくは新品を買い続けていたことになる。すげえ。お金もなくなるわけだ。それでブックオフなのだがカステラの CD を探すという原目的はあらかじめ春風にかき消され、久しぶりに油をさして自転車を駆って、ああ上着いらなかったなあと思いながら定例の道を辿る。辿る。到着し、もうそれにしても気がすすまないのでした。その、前回ブックオフに這入ったときに、「ブックオフの内にしばらく居るとなんだかモノを買うということが厭わしくなってくる」と書いたんだけど、今回もこれに寄られた。自分がブックオフ空間のなかに居るということに対して息苦しさ、みたいなものを感じるんだよな。いや、最初っから行かなきゃいいんだけどさ。そのへんも含めて向かっちゃいましたね。でまあ一通り見るんだけど。ふんふん、と、上着つけたまま、汗がにじんで、胸に妙な違和感を覚えて、さしたる本もないかナ、と思いつつ、気になる新書をすこし立ち読みし、 350 円かぁ……と思うも、軽く見切って、まだ辛いので CD を見るのはやめにし、そろそろ出るかぁ、と最後に文庫・新書以外の単行本のコーナーに行く、てきとうに見る、と、ああ、読みたかったあの本が 105 円、原価 2400 円、高まる緊張、イヤな汗、しかし僕は、 amazon で買える本は中古で買わないことにしたのだ、それは著者へお金がいくようとの思いなのだが、一方で森林資源が余分にああ、考えるのをやめにして、見切る、さて小説のとこも見てくかぁ、と、見てくと、ああ読みたかったあの本が 105 円、しかも絶版のあれである、著者の経済状況を蔑ろにすることも森林資源を空費することもない、ぜぜ絶版、さらにイヤな汗が、買うか、買うまいか、なぜ迷う、ブックオフブックオフ空間が、得体の知れない動揺と逡巡を僕に強いている、一体、しかしここで買い逃すと……よし、よし最後の最後まで見終わってから、買おうと思って最後のとこまで棚を眺め終えると財布の中身を確認しながらその本を手にとりレジへと運ぶのでした。またレジ袋を断りそびれた。煮え切らない思いで店を出る。
 ……てなわけで既に精神の健康を崩していた私だったのでありますが、んだ、んか、因果というか、さらなる旅路へ、つまり僕はもう一つ、別の店舗を訪ねることにしていたのでした! ああ、なんたる××!(←いいのが思いつかないので××には各自でなんか入れてください) さて、で、さらに自転車を急きたててアナザーブックオフへと向かったのでした。近いので 10 分くらいで着きます。ブックオフに恵まれてるなんてね……。で、貴重なメッツのある自販機を横目に到着し、自転車を停め、入店。「いらっしゃいませー」と言われなかった気がするのでラッキー、と思いつつ(なんだろね……)、 CD を物色、と思ったが、やはり取りやめ。あんま興味ないのばかり見るのは疲れるので。というわけで直ちに二階の本のコーナーへ上がり、岩波文庫などを眺め、さらに参考書類を眺め、新書棚を眺め、さしたる収穫もなく安堵しつつ(いや営業妨害のつもりはないんです)、文庫本の 105 円のほうへふらり。通例どおり、さらさらと眺めていると、ン!? と目が留まるは、先ほど買った小説の文庫版。がっ。ふたたびイヤな汗。いや別に単行本でも問題はあるまい、持ち歩くのに不便なだけで……と反芻するが、念のためと手にとり、ああ、表紙が違う、さらにぱらぱらとめくると、挿絵があり、え? 挿絵なんてあったっけ? え? あ? 混乱し、く、バッグに入れている単行本版を出して確認したい、しかし、ここでそんなことしたらなんか店員に詰め寄られたり、あるいは防犯カメラにバッチリ映っていて、店を出た瞬間に声をかけられるとか、それは嫌だ、それは避けたい、やめよう、と、あとで確認しようと落ちつけ、棚の閲覧を続ける。絶版になってるのだけ買おうと決めると、案外ぼくを困らせる存在もぐっと減ってくれる。さ……し……し、し、ああ、この本も……確か売ってないよな。んー……買うかあ。それにしても、どうにか誰にも見咎められないようにバッグの中身を確認できないだろうか……そう、万引き犯のようにさりげなく……いやいやそれこそ怪しまれるではないか。あとで確認すればいい。いい。以下、んんんんと見ていくうち、筒井康隆の分を確認したところで力尽きて、一旦店を出る、カバンを開ける、なにやら後ろめたいことでもしているかのような体勢で、先ほどの本の中身を検める、あ、やっぱり挿絵ないわ、んー仕方ない……あれも買うか……。と再び入店、さっきの本と、そのあと見つけた本と、あと代金のキリを揃えるためにもう一冊を追加、レジへ。ここでもレジ袋を断りそびれるが、親切なことに店員さんの方から申し出てくれたので、助かった気持ちでこれを受ける。いくらか重くなったカバンを下げて、自転車をこいで帰った。


 ……以上こんなかんじ。文章の一部が釈然としないので買った本を示しておくと、単行本と文庫の両方を買うはめになったのが新井素子・・・・・絶句』。ふつうは挿絵のあるない自体で同じ本を買うことはないんですが、この場合は吾妻ひでおが描いてるので話は別。「し」の部分で買ったのが島田雅彦『自由死刑』。これ、テレビドラマにもなってたみたいですね。あと今 amazon 見たら普通に売ってたわ。新刊書店だとこの人の本見かけないので勘違いしてた。代金調整のために追加したのが筒井康隆『アフリカの爆弾』。筒井康隆のあのドタバタ性の強い初期の短編が読みたい気もしていたので。それにしてもこう書いてみると僕はどうしようもないダメ人間ですね。