2009年1月の本とCD

 昨年末にやったアレの応用篇です。まあ軽い、軽ーい感想で、「ちゃんと読めてない」「聴けてない」という声が出そうですが、実際ちゃんと読んでいないし聴いていないということを断っておく。じゃあ何故といえば、なんか、引きこもって呟いてばかりいないで、リンクとかも飛ばしたほうがいいのかな、と思って。そういう試み。タイトルがああなってますが、時期的区切りは目安程度に考えてます。特にCDは一年以上前に買ったやつとかが平気で出てきますので注意って注意したところで何が変わるでもないけど。

高橋源一郎文学王
文学王 (角川文庫)
ニチロウ先生の文学エッセイというか文学作品の感想とか解説を集めたもの。全体的におもしろいんですが、特に、古い、明治期あたりの作品を語るにあたり、歴史的意義とかそういうんに走らずに素直に作品として楽しんでいるのがいい。読んでいて自分もその作品を読みたくなるような感想。あと詩が好きだということがよく伝わってくる。/今、この本を取り出して確認したら、最後の「ぼくの好きな外国の作家たち」の章を読んでいなかったことを思い出した。どうしようかな。

データブック・オブ・ザ・ワールド
データブック オブ・ザ・ワールド〈2009(vol.21)〉―世界各国要覧と最新統計
もはや小説でも随筆でも詩でもなく、統計。いや、ネタがないのですよ。この記事を書くにあたり、今月あまりにも本を読んでいないことに気付いて愕然とした。上の『文学王』だって先月末に読んだやつだし。/でもそれには関係なく、統計の本はおもしろい。何がおもしろいのかと問われると説明しがたいし説明したところで解ってはもらえない嗜好だと思うのですが、ともかく「はは、大豆の生産一位はアメリカかぁ、二位はブラジルなんだ」などと言って楽しめる人には文句なしにオススメでしょう。それから各国別のデータが充実しています。これも「トルコのインターネット利用者数は少ないんだなあ」とか、「同じアフリカ大陸でも識字率は国によってまちまちなんだなあ」とか、まあ、あの、面白いです。けっこう厚いわりに648円と安価なのもいい。

Triple Joker / T.M.Revolution
triple joker
いきなりT.M.R.のしかも'98年の作、というのが不安ですが別にかまいますまいか。あまり説明するまでもなく聴く奴は聴く、聴かない奴は聴かない音楽だと思うのですが、まあとりあえず。/この音楽は何と形容すればいいのかな。少なくともキラキラ、ではない。ピコピコでもない。ピカピカ、少し近づいた気がするがまだ違う。チカチカ、はさらに近い。電子音とエレキギターの電飾に彩られたサウンド(ただし過剰ではない)。の上で、ありふれた深刻でコミカルな日常を描く歌詞が、西川貴教の高圧なヴォーカルに載せて歌われる。といったところか。でもこれではT.M.R.の核心に近づいたことにはならない……。難しいな。とりあえず聴いてみるのが一番早い(ブックオフで安く売ってますし……)んだけど。「WHITE BREATH」は「忘れたい」ときの特効薬。

THE POWER SOURCE / JUDY AND MARY
THE POWER SOURCE
また'90年代の作だ。もうこれは原体験と言うしかない。'90年代に育ったから'90年代に特別な思い入れがあるのだ。'90年代の感覚を刷りこまれてしまっている。/JUDY AND MARYの音楽性についても僕の語るところではないと思うが……。たとえば人は「YUKIの声が」云々とか「guitar playingがtoo free」とか言うが、僕にとってのJUDY AND MARYの本質は“歌詞とメロディ”だ。歌詞の示すイメージとあのメロディの組み合わせがひたすら。「BIRTHDAY SONG」には何度か(2度か)涙をこぼしかけたことがある。