ミケの猫背の煙突日記

KA・KA・KA・KA 解析幾何

能登のまわりでふらふら積もる
トランペットの宵の浜
まるい頭でチョークを溶いて
太平洋の裏の裏の浦
外履き姿でゆるんだ意思で
ヤスリかけても心はゆがむ
健康的な微笑の底に
ペットはゆるやか三途の川へ
合わせる顔はないながら
豪快にひとつ飛んでみる
Lalalalala...

計算力は身につかず
透徹された悪夢は遠く
身のほど知らずのムササビは
富士の高嶺にとまって消えた
喧嘩も訴訟も果報も豚も
話し込まれて老いるだけ
唖の山ぎは うすばかげろう
ゴン太の望む虫ピン彼方
羊が三びき足を掻き掻き
ゲームは死ぬほど続いてく
Lalalalala...

おいしい話は60円
幻想見ててもTVは桃色
切実めかしたちり紙添えて
インドカレーの山焼け野郎
インドカレーの山焼け野郎
ストレスフリーの甘い夜空よ
帰らぬ線路の冷たさよ
身にしみて 身にしみて 身にしみて
もやの晴れない朝日になれば
ミケの猫背の煙突日記
Lalalalala...


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 詩作してた。こんにちは、詩作してた私です。近頃はすこし柔軟が増したのか、眠くないなら勉強をすればいいじゃない、という考え方になっていて、つるつると午前二時頃まで起きていることもあります。それで寝て覚めてみると案外と起床時刻は普段と変わらず、僕が寝坊するのは睡眠不足なのではなく惰眠をムサボリクスに過ぎなかったのだと結論づいている本日です。その本日につながる昨日の夜、「爆笑問題のニッポンの教養」の放送分が再放送であることに任せて世界史ノートなぞを埋めていました。さあ埋め終わって一仕事終えた、ここで僕は眠気とあたまの明晰さを天秤にかけはじめます。寝るか、寝まいか。寝るか。寝まいか。寝るか……寝まいか……そうこう迷っているうちに手にはレポート用紙が。僕はやる気でした。数学の学習をやる気でした。参考書を開きました。ぱらぱらとめくりました。そして飛び込む「解析幾何」の文字。脳裏を走る一閃。用意されたレポート用紙は一瞬にして詩の広場と化したのでした*1。そういうわけで本作の端緒は「KA・KA・KA・KA 解析幾何」となっております。以降はもう己の詩的運動に身を任せるだけでした。とまあここまで書き忘れてきたことだが、こいつを「詩」と呼んでいいのかは定かでない。その理由を探ると、一に「まじめでない」、二に「意味がない」、三に「苦しんでない」、このようなものが思い当たります。でもそもそも真面目で有意味で苦しいのが詩であるとは誰も言っていないし、まあ詩でないならないで「詩みたいななにか」とでも呼べばいい話ですし、なんなら呼称を与えないって手もあるぜ。で、あらためて読んでみると negative なイメージが浮かびますね。やはり俺の本領は negativity なのだろか。それとも人間一般が暗いことばっか考えてる存在なのか。ちなみにこれ、5回くらい推敲してます。

*1:このあと数学もやりました