『僕は模造人間』島田雅彦

僕は模造人間 (新潮文庫)

僕は模造人間 (新潮文庫)

 現代の小説も読んでおかないとなあ、とボンヤリ思い、ふつふつ思い浮かんだいくつかの著者名を求めて本屋を歩き回った結果、目に留まったやつ。だからどう、でもないのですが。
 自分がステレオタイプな存在であることから出発し、ステレオタイプ的現実を破壊することに熱中する人の物語……でいいのかな。その場のフンイキをぶち壊しにする快楽とか、かなりネジれてはいるし、全編的に白々しい空気が漂っているのだが、その台の上で予定調和的現実と戦っている姿は現代的な青春テーマなのかな。しかもなかなか実現し難い願望である(と思う)点ではロマンチックでもある。面白かったです。