数学学習記 その8

ふー。出来た。
これでいいはず。これでいいはず。筈。たぶん。


ユークリッドの互除法の説明。互除法というのは2数の最大公約数を求める操作です。文中では便宜的に「aとbの最大公約数」を「 (a,b) 」と表記します。では、以下。


突然ですが、とりあえず、長さ51の線分を36で割ってみる。

51÷36=1あまり15
このとき、15が (51,36) の第一候補となる。図を見れば分かるように、36から51までは15が一つ分しか差がなく、すなわち15なら36と51の間を最小の一度でまたぐことができる。九九で15の段を数えていったときに36のちょうど次に51がくるイメージ。なので15が36と51の公約数であると仮定すれば、それより大きい公約数は存在しない筈である。
もし、15より大きい公約数を仮設したら、36の次に51がくることはない(図参照・36までピッタリ合った(式としては公約数が16だったら16×n=36)として、そこから15より大きい数を加えると必ず51オーバーになる)また、36にピッタリ合わなければそもそも36の約数ではない。すなわち、15より大きい数は公約数になりえない。
こうして「もし15が36と51の公約数ならば、直ちに15が最大公約数になる」ことが決まる。
では15が公約数でなかった場合どうするのか。そのときは15の約数が候補にあがる。36と51の公約数はとにかく36を等分し、同時に51も同じ大きさに等分する。となると図で考えれば15も完全に等分する筈だからである(図の直線の上下に同じ間隔で目盛を振っていくイメージ)。


では15は本当に36と51の公約数なのか。手始めに36について調べる(また、15が36の約数であることが分かれば図から51の約数であることも判断できる。36が15で等分できれば、残るのは15だけなので、全て15で等分できるようになるからである)。では実践。

36÷15=2あまり6
割り切れませんでしたー!


よって15は (51,36) ではないことが分かった。次の段階として二つ上の段落に書いたように、今度は15の約数でなるべく大きいのを試したい。このとき、36と15の最大公約数 (36,15) を探すことになる。というのは、元々36と51の最大公約数を求めているのだから、15の約数であっても36の約数でなかったら本末転倒なのである。
で、前に書いてある説明に基づき、6が36と15の最大公約数であることが予想され、さっきと同じようにやっぱり15だけ調べればいいから、

15÷6=2あまり3
割り切れませんでしたーーー!!! 畜生!!


よって6は (36,15) ではないことが分かった。引き続き (36,15) を探すことになる。ところで……あなたは気付いていたでしょうか。本来は51と36の最大公約数を探していました。ところが今、私達が求めているのは36と15の最大公約数。これはループ。たらい回し。マトリョーシカ。しかし物語は必ず結末へと収束する。明けない夜はない。この構造は問題の核心に向かって渦を巻いているので安心してよいのです。
気を取り直して、 (36,15) について。ここまでで (51,36) のときと同じようにして「6!」と予想を立てたが、見事に外れた。こんなときどうしたか。あくまでルールに従うとすれば……そう、次の候補は「6の約数」である。そして、探すのは「15と6の最大公約数」(なんで? という人はひとつ上の段落を見よう!)。んで、そいつは「3!」と予想がつく(ひとつ上の式を参照)。もちろん6だけを調べればオッケー。てなわけで

6÷3=2
割れた!!!


こうして (15,6) が3である、ということが分かった。この (15,6) がそのまますなわち (36,15) になり(ひとつ上の段落参照・ (36,15) を探していて (15,6) が出た)、やがては (51,36) となる( (51,36) の候補の一つとして (36,15) があがった)。
(51,36) = (36,15) = (15,6) =3
これで完了。
結局、互除法というのは割り算を繰り返して最大公約数を求め続ける操作なのでした。で、最終的に割り切れたところの“割る数”が元々求めたかった最大公約数である、と。

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以上。……で! どうでしょう。これで。なにぶん門外漢の書いたものですから不備などあると思いますし、この説明も長い&分かりづらい / わけがわからないかも知れません(書いている僕でさえしばしば現在位置を見失いました)。ただ、互除法の理解で悩んでいる方いましたら(いるのか)、これが少しでもヒントになれば素敵だなあと思います。