先は見えてるようで見えない

 入試問題ぱらぱら見てたら、不意に地理が勉強したくなった。俄然キました。学習欲が。学習欲?……実を言うと、これが学習欲と読んで差支えないシロモノであるのかどうか、不安要素がある。その欲ってのは純然たる「学習」に向かう欲なのかどうか、なんとなく自信がもてない。それはたとえば遠足はその前日においてワクワクがピークに達するとか、品物は使うときよりも買うときこそが一番楽しいとか、告白するまでが“恋”なのだ、とか、そんなような意味合いに近いように思います。つまり、自分はそれを学習している状態を想像して甘い愉悦に浸っているのみであり、それと実際に勉強することから得られる楽しさとは実質的に無関係なのではないか、と。確かに頭の中で作り上げられる「よろこび」というものは ideal なものなので、それに勝る、あるいは相当する快楽が実行動によって得られるかといえば、それと同じものは得られないのではないかと思います。「想像されるよろこび」と「実行動によって得られるもの」とは別べつのものです。で、だからこそ、実際に行動してみなければな……と思うわけです。たとえ先に「よろこび」が見えなくとも。いや、見えないならば、なおさら。……理想論ですが。僕はいつも理想論ですけど。