カステラ『100時間連続』

そういえば、何が100時間連続なんだろう。

100時間連続

100時間連続

100時間連続

100時間連続

カステラのメジャー3rd。このアルバムがメンバーそれぞれの個性が最も分かりやすく出た作品じゃないかな。大木知之(現TOMOVSKY)のどっかで聞いたようなメロディーや、うしろむきな性質。「くさったジャム」は自分の中では屈指の自棄曲。いやまあ自棄曲というジャンル集合の要素の全体数自体、少ないと思いますが。なんでジャムなのかも分かりませんが。後ろで「ジャム! ジャム!」と叫ぶ演奏者達も、なんでこんなことで盛り上がれるのか僕には不思議ですが。が。それから「あくび」は、あくびを有効利用できないものかな、という冗談のような、というか実際どう考えても冗談の歌なのだが、どういうわけか聴いていると切なくなってくる。

14曲中5曲を占めた長谷川曲がこのアルバムを最も強く彩っていると思う。ニューウェーブ的(いや、知りませんが)なひねくれた編曲センスを堪能できる「写真のウソ」「孫」「埋没注意」「じいさんが熱出した」といった、メジャーともマイナーともつかぬ……というよりは本当にこの人たちは音楽を通して“言いたいこと”というのがなかったんだと思う。だから明るいとか暗いという感情の入り込む余地がない。カステラが解散した理由が「飽きたから」であるらしいのも頷ける。