『あぶらだこ(穴盤)』あぶらだこ

そういえば新作、出たようですね。

あぶらだこ

あぶらだこ

 昼ごはん食べるときに普段はラジオかけてるんですが、今日はそんな気になれず、しかしどうもなにか手持ち無沙汰で居間のプレイヤーに突っ込んだ。しかし昼飯のBGMがあぶらだこ、というのはいろいろと問題がある気がする。
 普段の小プレイヤーにイヤホン差し込んでちまちま楽しむ規模から離れた新鮮さもあったのだろうが、どうやらスピーカーで聴いていると、突如たる素っ頓狂な叫び、ついてけない曲展開、いやむしろ一つのまとまりとして曲と呼んでいいのだろうかとの思いさえ過ぎる音と音との断絶、その向こうの音の形の違い、至る所にちりばめられる謎のフレーズ、意味不明のギャグの数々……云々がはっきり必然性をもって目の前に現出するではないか。多少誇大表現になったが、まあそういうこと。確かに、分析的になってしまいやすいイヤホンに比べ、スピーカーの方が音楽の全体像は掴みやすいのかもしれない。
 ええとまあ一応内容について触れておくと、「いいですよ」くらいしか言えないかなあ。ただ有用性が皆無なのが難点だ。いや、ま、難点というか……、芸術とはそういうものなのだ。


追記:あ、そうそう「ついてけない曲展開」について、これはイヤホンによる鑑賞などで予習可能なのであり、その成果が今回のスピーカー鑑賞で結ばれたといってよいでしょう。もしかして、僕が何を言っているか分かりませんでしょうか。それから、あぶらだこの出自はパンクなのだそうですが、このアルバムは一曲目『都塵気孔』のイントロにパンクを感じます。